真っ白な時間、真っ暗な時間。

ヒカリコラム

ある日のこと。

バイト先に出勤したら、急な変更で4時間に変わっていた。

その日は、元々5時間勤務だった。

1時間早く退勤したので、ゆっくり歩いて帰ることにした。

年の瀬、まだまだ寒さは冬としては序盤。

マスクが外せない生活になって、そろそろ1年が経とうとしてる。

久々にマスク越しじゃなくて、直接空気を吸いたい。

河川敷に上がり、ただただ独りで歩いた。

周りに人がいない。居たとしても、かなりの距離は確保されている。

さすがにこの距離だったら問題はないだろう。

冷たい空気。鼻奥が痛くなるほどに冷たい。

マスクをしていれば、ある程度あたたかくて守られている。

気持ちがいいものではないが、久々に人間としての痛覚を感じた。

市街地に住んでると、街灯で空がよく見えない。

田舎だと星がよく見えるってよく言うじゃん。

でも、河川敷だからかなり暗い。市街地にしてはかなりよく見える。

そんな晴れた夜の空を見上げながら、突然思ったことがある。

人間って、どうして存在するのだろう。

なぜ、なにもなかったところから宇宙は生まれ、無数の惑星が生まれ、そのひとつに地球があり、そこには生物が存在できる条件が揃いに揃っていて、その中で人類が存在し、何かしらの目的を果たすために何かしらを作り出すのだろうか。

そして、人類は住処である地球の環境を悪化させ続けている。

地球温暖化、土地開発。

天候は乱れ、生態は崩れ、人類だけが得をし続ける。

無意識のうちに無悪不造な行為をしているのではないか。

何かしらの目的を果たすために。

人類は、大きすぎる犠牲を払って、自分たちが得をすることしかしてこなかったのではないか。

なん光年先にあるかもわからない星たちを眺めながら、ぼーっと。

あれ、星って意外と動いてる?

見間違いじゃなかったら、肉眼で見えるほどには動いてる。

ただ淡々とやるべきことをやっているだけでは感じられないことを感じた不思議な体験をした。

スマホも滅多に触らない、ただ晴れた夜空を見上げながら家路につく、不思議な1時間。

こんな1時間の使い方も悪くないかも。

それでも、年の瀬の寒さは変わらなかった。

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