元不登校生、薬剤師になろうと勉強中

前向きストの知恵

「みんな入学式、友達と来てるんだね」

 群馬県の小学校を卒業し、家族の仕事の関係があり、中学入学のタイミングで神奈川県に引っ越し。

 中学生になったら、勉強と部活を頑張って、憧れの高校に進学したい!と思いを馳せていた。

 入学式は、みんな仲の良い友達と来ていて、急に一人ぼっちになったような気がして、引目に思ってしまった。

 引っ越してきたばかりで、知り合いはいないし、友達とも先輩ともみんな仲良さそう。小学校で仲良くしていた親友のように素でしゃべれる友達もいない。

 それを言い訳にして、理想通りにいかず、勉強も部活もついていけていない自分に腹立たしくなり、学校が面倒くさく思えるようになった。

 お腹痛いと騒ぎ、早退してみた。みんなが頑張りすぎだとか心配してくれて嬉しかった。気がついたらもう学校行かないって決めてた。

「おなか痛い、部活行きたくない」

おなか痛いからとか言って、部活に行かないで早退したりする日々が続いていたら、学校に行くのも嫌になってきた。

5月からほとんど学校に行かなくなった。

教室に行きにくくなって、たまに、適当な時間に学習室に少し勉強しに行ったり、テストは違う部屋で受けたり、どんどん向上心がなくなった。

最初は目標もモチベーションもあったのに。

家でも喧嘩ばかり。

生きていくのもつらいし、なんかもう、私って何しても人とうまくいかない人間なんだって感じていた。

ほぼ毎日自傷行為していた時もあるし、家からも、この場所からも、消えようと思って真夜中に脱走したこともある。

でも、このままでは高校に行けない。

出席しないといけない。

と思った私は、3学期から何事もなかったように登校した。

最初は、

 「とりあえず、誰とも話さないで、本読んでよう。」

と思っていた。怖かったし、周りもきっと急に来られたところで困惑するだろうし、つらかった。

でも、みんな普通に話しかけてくれたり、一緒に帰ったりしてくれて、気が付いたらクラスがいかにあったかいクラスだったことを知った。

それから毎日ちゃんと学校に行った。

でもやっぱり、一度ついてしまった休み癖が治らなくて、遅刻欠席は明らかにほかの人より多かった。

やっぱり中学校は好きになれない。

それでも頑張った。自分のペースで通い続けた。2年生は楽しかった。体育祭、合唱祭、初めて団結力とか青春とか、体感できた。

3年生になってまた、学校に行かなくなった。修学旅行の時、悪口を言われ、仲間外れにされた。同じ班だった女の子が、私が話していたことで気に食わないことがあったらしい。気が付いたら、クラスの女子に伝染して、無視された。

このくらい、今だったら余裕でかわせるよ笑

でも、そのころの私は、気にしないでやり過ごそうと思ったけど、できなかった。怖くなって、先生に泣きついて、取り敢えずもう学校にはいけないって思った。

1年生のときに学校に行かなかったのとはわけが違う。女子全員が強敵だ。

徹底的に学校に行かなかった。

高校にも行かないと宣言した。でも、親ともめたから、出席日数も成績もやばくても、受け入れてくれる、通信制高校に決めた。ほんとは少しプライドが許さなかったけど。

行くならちゃんと全日制に行きたかったから。1年生の時から行きたい高校があった。でも、学力試験の前に、出席日数で多分無理だった。

でも、あの時、憧れの高校に行けなかったことは、その先の大学受験で大きな力になった。絶対夢を叶えたいと思えたから。

高校を決めた後、もう、卒業式を待つだけだったから、数回クラスに行ってみた。通わなくてよかった。みんな私のこと本当に関わりたくなさそうだった。

挨拶をしてくれる人も、目を合わせる人もいない。私の机とロッカーは物置になっていたことは腹が立った。

修学旅行から、もう教室に居場所はなくなっていたみたいだった。

「学校やめたい」

高校に入学してすぐ、友達ができなくて辛くなってきた。

 「結局私ってどこにいってもコミュ力ないんだなぁ」

と思った。高校はきっと卒業できないでまたいけなくなって退学するんだろうなぁと思っていた。友達の輪に入っていてもなんとなく上の空になって、友達と楽しめない。

私は、本当は勉強も課外活動も頑張って”青春”したい。何かをチャレンジしようと決め、学級委員に立候補。

その後も、文化祭実行委員やボランティア活動に積極的にチャレンジした。リーダー役もとりあえず引き受けた。やれるものは全部やった。

高2になり、気がついたら友達がたくさんいた。校内でいろいろやっていたこともあり、後輩とも先輩とも顔見知りになれた。

中学では辞めてしまった部活で味わえなかった縦割り関係が構築できた。ボランティア活動やイベント開催を企画し、他校にも友達ができた。なんて幸せなんだろうと思った。

友達は、自分から積極的にチャレンジしてできるものなんだと16歳になって初めて学んだ。

それから、前の私と同じように悩んでいる学校のみんなにも、いろいろなことにチャレンジして欲しいと思うようになった。

委員会では意見を出せる空気をつくるサポート役に徹したり、ゼミ活動ではおちゃらけた話をし、縦割り関係の硬い空気を和らげようとしたりした。

気がついたら、誰とも話せなかった私が、リーダーシップがとれるようにまでなっていた。

「大学に行きたい!」

なんとなく、新しい場所に飛び込んでみたい、と思い、高1の時にオープンキャンパスに行ってみた。

大学に行きたいわけじゃないし、多分退学しちゃうって思っていた。関係ない道。だけど、未知のものに興味があった。行ってみて思った。

「大学に行きたい。」

 勉強は、入学してから、「卒業後、これ以上勉強したくなくなるくらい勉強する!」を目標に毎日5時起きで勉強した。

テストで100点をとれたり、1位をとれたり、成果がでることもあったが、勉強しても模試で判定が悪かったことなど成果がでなこともあった。それでも、勉強が何よりの励みだった。喜びだった。楽しみだった。

 課外活動に勉強に全力を尽くした3年間だった。入学当初はもう学校やめようかな、とばかり考えていたしょぼい私だけど、この3年間の高校生活の努力と成長は、誰にでも自慢できる自信がある。

それでも、受験は推薦、AO全落ちした。悔しかった。自信をなくした。

でも、私は絶対に薬学部にいきたい。他の理系学科なら、比較的入りやすいところもあったが、私は絶対に薬学部にいきたい。だから一般入試まで勉強した。失敗し続けても頑張った根性は、今の自分の財産だと思っている。

最後に

私は今、薬学部に受かり、薬剤師を目指して勉強に励んでいる。

夢に見ていた薬剤師の道は厳しく、最初の一歩である薬学部合格にも希望を無くしていた私。その一歩に踏み入れられたことは本当に幸せだ。

私は中学生の時まで、できないことばかりで、何にも挑戦しないで文句ばかり言って逃げて、傷ついていたように思う。

何事にもとりあえず、できることは全部チャレンジすることが大切だと学んだ。チャレンジして、自分の道を目指し続ければ、何か自分が成長できるチャンスに繋がると知った。さあこれからも一緒に、いろいろなことにチャレンジしていこう!!

私は、薬剤師になる!!

ちなみに、高校生活で憧れていた、“青春”ですが、3年間、通学路で会う、高校生に一目ぼれしていました。

卒業後、たまたま学校に行ったときにまた会うことができ、思い切って声かけちゃいました♡(青春でしょっ笑)

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