※今回の記事は、いなさんが執筆した寄稿記事です。
「毎晩眠る前に、その日にあった良いことを3つ書き出す」という習慣を聞いたことがある人はいませんか?
これは、ポジティブ心理学を開拓したマーティン・セリグマン博士が考案した『スリー・グッド・シングス』です。
わたしは自己肯定感が低く、ついつい1日の終わりにやけ酒をしていました。
そこで『スリー・グッド・シングス』を始めてみたところ、良いことを探す毎晩の習慣を超える効果がありました。
毎晩やり続けた習慣を振り返ったのが、自分の自己肯定のクセを見つけるきっかけになったのです。
……ご挨拶が遅れました!
わたしはヒカリテラスにコラムを初めて寄稿する、いなと申します。現在大学3年生で、居場所がなかった大学に「生きづらさ」に注目した居場所サークル、立正大学LINKを設立しました。
いつも自分やその周囲の「生きづらさ」について考え行動し続けて(は生きづらさを抱えて)おります。
このコラムでは、わたしの2020年6月1日から11月末現在の経験に基づきながら、『スリー・グッド・シングス』の即時的・長期的な利点についてお伝えしていきます!
『スリー・グッド・シングス』で“毎日”思い返すメリット

『スリー・グッド・シングス』の日々のメリットは、「ポジティブな視点のまま寝床につける」点です。今日を振り返って良かったことを3つ思い出して書き留める必要性は、1日の締めにポジティブな視点も思い出させてくれます。
また、「良いことのハードルが低くなる」のもメリットのひとつです。どんなに嫌なことがあった日も、どんなに何もなかった日も、3つの良いことを書きだそうとすれば、自然と良いことのハードルは低くなります。
「提出物を忘れた……」と落ち込んだことがあるわたしは、「今日は提出物を出した~!」と喜ぶ視点を再認識する機会が増えました。
『スリー・グッド・シングス』を“長期的に”振り返るメリット

『スリー・グッド・シングス』には、長期的なメリットが秘められています。「自分の『良いこと』の傾向がわかる」のです。
わたしは2020年6月1日からずっと、オンラインでイベントに登壇してお褒めの言葉を頂いた素敵な日も、精密検査のためメスを入れた臓器が痛む辛い日も、1日3つの「良いこと」を書き留めています。これは、わたしが何に喜びを感じるのかが判明するデータともいえます。
わたしはこのデータを、「わたしが頑張った」「周囲がしてくれた」「運がよかった」に分類してみました。すると、わたしの良いことだと書き留めるものの多くは「わたしが頑張った」と判明しました。
これは、自分の頑張りを認めることができる長所であると同時に、頑張れないときには「良いこと」の大半を見失う危険性を秘めています。それに気が付いてからは、毎日3つ中1つは「周囲がしてくれた」または「運がよかった」を書き留めるよう心掛けています。
もしかすると、「周囲がしてくれた」が多すぎる人は、ひとりの時間に耐えられない可能性を秘めているかもしれません。
「運がよかった」が多すぎる人は、自分や周囲の頑張りにあまり目を向けられていないのかもしれません。振り返りは、「良いこと」の可能性を広げるためのものであってくれ、とわたしは思います。
「良いこと」はもっともっと軽くて良い

……こんな感じで崇高っぽく見えるように頑張って文章を書いていようと、わたしの「『スリー・グッド・シングス』ノート」には「よ~~く寝た!8時間!」「落ち込んだからまったりした♡」「セブンイレブンの牛乳寒天が美味だった」などと書かれているのです。
みんな、もっともっと簡単に「良かった~」って思っていい。悪いことのハードルより良いことのハードルが下がればいい。良いことなんて何個あってもいいんですからね!!
わたしは今日も「良いこと」を3つ書き留めてから眠ります。読んでくださって、ありがとうございました。

「生きづらい」という想いに共感と理解を届け、本質的な生きづらさと自殺問題の予防と解決に取り組んでいる任意団体です!